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[解説]
〈朝鮮〉と〈日本〉の出会うところ―神戸市兵庫・長田区の下町を流れる一本の小さな川をめぐる物語。日清・日露の戦争をはさんだ時代につけかえられた川〈新湊川〉にまつわる近代史をひもとけば、それが恵みをもたらすどころか、被差別部落や在日朝鮮人の人々の生死をのみこんできた川だとわかる。
それはまた、アジア侵略の道をひた走りに走った近代日本の残像でもあった。侵略と差別の歴史を背負って湊川高校(定時制)にやってくる生徒たちに対し、ただひとつ「逃げない」ことを自身の拠り所として三十年にわたって向かい合ってきた教師の実践とともに差別のないまちづくりへの新たな夢が描かれていく。
[著者]
登尾明彦(のぼりお・あきひこ)
1943年、京都府生まれ。立命館大学卒業。1969年より兵庫県立湊川高等学校勤務。一人雑誌『パンの木』(月刊)発行。著書=『パンと貝殻』、『湊川、私の学校』(草風館)、『それは、湊川から始まった』(みずのわ出版)、共著『はるかなる波濤』(明治図書)、『授業が生きる光となる』(国土社)など。
[目次]
第一章 震災と、復興と
第二章 湊川の、つけかえをめぐって
第三章 湊川を、歩く
第四章 劇「湊川、私の学校」
第五章 字が読める、世界が変わる
第六章 故郷の家が、長田にできる