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教師は詩人であらねばならない――。神戸・長田の夜間高校で、被差別部落、朝鮮と向かい合ってきた教師の36年。詩誌「パンの木」他に綴ったエッセイ、詩、演劇台本を収録。
[著者]
登尾明彦(のぼりお・あきひこ)
1943年、京都府生まれ。立命館大学卒業。1969年より兵庫県立湊川高等学校勤務。一人雑誌『パンの木』(月刊)発行。著書=『パンと貝殻』、『湊川、私の学校』(草風館)、『湊川を、歩く』(みずのわ出版)、共著『はるかなる波濤』(明治図書)、『授業が生きる光となる』(国土社)など。
[目次]
1 湊川と私と歌と
問い
六九年の湊川と、あの烈しい日々の私
助っ人
一教員に徹する
怖いもの、知らず
湊川のゲリラたち
私が辞表を書いた時
湊川と私と歌と
2 月給泥棒
私がパンを焼き始めた頃は
教師という仕事
原初の学校
月給泥棒
私の描く理想の教師像
湊川の生徒、いまむかし
3 湊川で出合った人々
痕跡
森信三先生とのご縁
水上勉さんの『鳥たちの夜』を読む─読書雑記
松陰二題
金時鐘先生のこと
内川千裕さんのこと
万年青年─李殷直先生のこと
一枚の写真─上野英信氏のこと
゙基亭先生
金石範氏のこと
東京下町明治の女、三話
沖縄について
私が聴いてみたかったこと─林竹二先生
4 〈朝鮮〉と〈日本〉の出会うところ
パン屋
「金剛山の天女」上演のこと
なぜ朝鮮を知るのか
彼ら、そして私にとっての〈朝鮮〉
〈朝鮮〉と〈日本〉の出合うところ
5 神戸、長田物語
僕が言わせてもらいたいたったひとつのことは
師走─震災余話
『湊川、私の学校』
初めての本
『湊川、私の学校』が私にもたらせたもの
二〇〇〇年、私の初夢
『湊川を、歩く』が生まれるまで
『湊川を、歩く』
「私を育ててくれた日々」
話すということ
神戸、長田物語
6 それは、湊川から始まった
夢を売る
群読 それは、湊川から始まった
今が青春、真っ盛り─湊川高校いきいきハイスクウル
朗読劇 湊川とよく似た学校の話
7 詩があれば、こそ
生まれ変わったら
〈優しさ〉が解る地表
二つのアジア、父と子の
敵わないということ
父のこと
詩があれば、こそ
教育の原点が去ってゆく 金時鐘